邦楽界で活躍された方を紹介するシリーズをしておりますが、今回は市丸さんを御紹介したいと思います。市丸さんと言えば小唄でも活躍された方なので、小唄の事も少しお話を。
【小唄】
清元、一中節 、河東節などを極めた人々が普段楽しむために、小粋な芸にしたもので、端唄よりももっと自由で、粋、色気、お洒落が生命でつぶやくように歌い、小唄の歌詞は比較的短く、洒落、皮肉、粋〔いき〕を重要としています。 極端に声を抑制する歌唱法は、熟練した技術を必要とします。
幕末に清元節(浄瑠璃の一つ)の中で用いられた短い歌曲が「小唄」の始まりと言われています。芝居に上演される清元節の 新作一幕物には、かならず短い端唄をはさみこむ風潮があったそうで、この端唄を清元調のテンポの速い小歌曲にしたのが、そもそも小唄の発生だそうです。小唄が本格的に確立されたのは、明治時代に入ってからで、大正から昭和にかけては家元も増え、戦後はさらに盛んになって小唄ブームとまで言われるようになりました。
<江戸小唄><早間小唄>とも言われているそうです。小唄の特徴は、まず撥を使わずに爪弾き(正しくは肉弾き)で、三味線が唄に不離不即で テンポがはやく、唄も糸もえめな音色で、さらに曲の後奏に <オクリ>という手が入っていることがあります。オクリというのは三味線による後弾の手で、前弾と一部または全部同じ手をひくもの。 小唄独自の手法で、端唄やうた沢節では用いません。
長唄、浄瑠璃など色々な邦楽の要素が入っているため非常に奥深く、うた沢(端唄に品位を与え芸術的な歌曲として、ゆるやかなテンポで重々しく演奏されるもの)と比べて、早間〔はやま〕(早いテンポ)で唄われます。
で、市丸さんについて。
ご本名は後藤まつゑさんとおっしゃいまして、19歳の時に長野県は松本から上京され、浅草にて芸者になられます。清元、宮園節、小唄等の邦楽を習得され昭和6年に「花嫁東京」で歌謡界デビューをはたされます。それにしても「花嫁東京」、すごいタイトルです。
そして、昭和8年には「天竜下れば」大ヒットします。「天竜下れば」、なかなかいかついタイトルですね。この時のエピソードとして、当時としては珍しい美貌歌手だった為「歌より先に顔で評価されて損」と言われたそうです。市丸さんの美貌がよっぽど突出していたのか、その他の方が……だったかはわかりませんが、近年では聞かない意見ですね。
その後、昭和24年に「三味線ブギウギ」が空前の大ヒット!(言い過ぎでしょうか)。ラジオ番組でも活躍されていたそうです。
番組中でも「三味線ブギウギ」をはじめ、市丸さんの唄われる小唄をかけたのですが小唄の持つ色気、そして市丸さんの魅力的な唄声が相まって聴き惚れてしまい、ちょっと花街に繰り出したくなりました。(勿論、歩くだけ…)
【告知】
神戸を中心に長唄の活動をされている東音松浦麻矢さんの出演されるイベントです。
「第3回 神戸東灘文化フェステイバル」
日時:平成17年3月19日(土)
13時30分開場 14時開演~16時15分終演予定
場所:神戸ファッション美術館5階 オルビスホ−ル(電話078-858-0050 〒658-0032神戸市東灘区向洋町2-9-1
神戸ファッション美術館マップ
主催:神戸東灘文化協会
出演:語り 河東 けい (関西芸術座・演出家・女優)
演奏 クマゴロ&FRIENDOS(カントリ−ウエスタン) アメリカ
天昇楽団 (中国楽器のオ−ケストラ) 中国
かとうかなこ (クロマッテックアコ-デオン) フランス
関西女性長唄ユニット「萌花」&花柳吉小叟(長唄&日本舞踊)日本
入場料:1500円
東音松浦 麻矢 maya-isamari@aurora.ocn.ne.jp
日本舞踊 長唄「都風流」 (立方) 花柳 吉小叟
語り入り 長唄「勧進帳」 (語り) 岸の家 すすき
とも地方
(長唄) 東音松浦 麻矢
(三味線) 今藤 苗佐 / 今藤 苗佳
(囃子) 望月 典子社中
「東音松浦麻矢〜長唄の魅惑〜」
直簫流尺八宗家で、いつもお世話になっている田嶋直士先生の出演されるイベントです。
第7回 やさしさのとき
チャリティーコンサート 「なわて」活動のために
3月26日 土曜日 5:00〜
場所 : 一心寺 天王寺「三千仏堂」
入場料 : 2000円
第一部
詩の朗読
第二部
春の海 NINJA 散華 鶴の巣籠 琉球民謡による組曲
尺八 田嶋直士 箏 三絃 菊知恵美子 箏 一七弦 坂上千恵 箏 佐藤妙見
問い合わせ先 なわて TEL072−877−4412
「田嶋直士 尺八の世界」
今回の市丸さん・小唄についても色々と教えて頂きました、端唄屋・笹木美きえさんの開催されるイベントです。
「三味線・弾き唄いについての質問についてお答えします」
3月27日(日)
楽器調整・・・サワリの調整・手早い調弦の仕方
演奏について・・・どうしたら 綺麗な音色が出るようになるか・・
弾き唄いについて・・・どうしたら出来るようになるか・・ など ご自分の楽器をお持ちいただき 丁寧に指導いたします。
個別相談(予約制) 1回1時間¥6,000 流派不問
予約制なので時間を指定してお申し込みください。
sasakimikie@hotmail.com
笹木美きえの会
「 ”美きえと愉快な仲間たち”♪ワークショップと寄席の風情」
日時 : 2005年4月23日(土)
開場 15:30 開演 16:00
会場 : 日暮里 ライブハウス「和音」
料金 : 2500円也(ワンドリンク付き)
出演 : 笹木美きえ / 唄と糸 おいけ家金魚 / 落語
芙蓉浩明 / 端唄振り 若柳勒芳 / 端唄振り
お問合せ MAIL:sasakimikie@hotmail.com
「端唄屋 笹木美きえ」さんのホームページ
津軽三味線で活躍されている山本竹勇さんのイベントです。
「山本竹勇・勇気 親子 津軽三味線コンサート」
3月27日(日)PM3:00〜
場所:松明堂音楽ホール(西武新宿線「新所沢」東口徒歩2分)
料金:全席自由 3500円(税込)
お問合せ・チケット販売は25日から松明堂音楽ホール
TEL 04-2992-7667
「山本竹勇 津軽三味線の世界」
ゲストにも来て頂きました、箏演奏者の石川憲弘先生のイベントです。
「中越地震被災者ガンバレ!チャリティーコンサート」
日 時:4月10日(日) 14:00開演
場 所:金山彦神社 境内
〔東京〕 調布市下石原1-41-1 旧甲州街道沿い
問合せ:世界民俗芸能プロダクション TEL : 0424-87-1021
出演者:クラシック&フラメンコギター:鶴田威出自20絃箏:石川憲弘
主催:世界民俗芸能プロダクション/協賛:被災者をはげまそう!有志
皆様からお預かりいたしました義援金は日本赤十字社から全額、中越地震被災者に送られます。
「牧野由多可 個展 vol.5」
日 時:4月25日(月) 18:30開演
場 所:芝abc会館ホール
〔東京〕 港区芝公園2-6-3 Tel:03-3436-0430
都営三田線芝公園駅A3出口徒歩3分
都営浅草線大門駅A1、A3出口徒歩5分
都営大江戸線大門駅A1・A3出口徒歩5分
JR山手線浜松町駅北口徒歩10分
料 金:前売り3,500円 / 当日4,000円
出演者:箏:石川憲弘、砂崎知子 歌:友渕のりえ 17絃:松坂典子
「【石川憲弘】箏・琴・おことのHP」
お近くにお住まいの方、お時間のある方是非とも足をお運び下さい。
三宅良
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