今月から'60年代に活躍したアーティストを紹介しているこの番組。
それで今回特集するのは、当時ロンドンで最高のR&Bバンドといわれた
ザ・プリティ・シングス(The Pretty Things)。
彼らの前ではストーンズやヤードバーズも優等生に見えるほど、危険な香りを
放っていました。
プリティ・シングスは1960年初め、R・ストーンズのベーシストだった
ディック・テイラーが100%イニシアチブがとれて、さらにリード・ギタリスト
として活躍できるバンドの結成に乗り出します。
こうして結成されたバンドはライブを重ね、不良然としたルックス、暴力的な
パフォーマンスで、たちまちロンドンっ子を虜にし、ついにTVの音楽番組にも
出演。いよいよ、お茶の間にも彼らの名前が浸透します。
バンド名は彼らが敬愛するボ・ディドリー(前々回の特集アーティスト)の名曲
「Pretty Thing」からきています。
こうして話題となった彼らはレコードデビューし、ストーンズ、キンクス、
ビートルズ等錚々たるバンドに混じってヒットチャートの上位に顔を出します。
サウンドはとにかくワイルドで、いまやガレージ・クラッシックスとして、ダーティ
でワイルドなR&Rバンドが好きな人達に愛されていますが、悲しいかな、いまの
音楽シーンでは決してメインストリームのサウンドではありません。
しかし、当時はネームバリューではなく「イイものは良い」と平等に判断する
まだまだピュアな状況だったのかなぁ、と思います。
こうして勢いづいたレコード会社は「ストーンズがポップだと思う君のために
プリティーズはある」とか「お兄さん方、キミは自分の妹さんをプリティーズの
ガールフレンドにやれるかい?」といった彼らの「悪」イメージをさらに強める
キャッチコピーを連発。
バンド活動は順風満帆。しかし、私生活は乱れ、新聞のゴシップ欄の常連となった
彼らを、このまま世間の良識派が黙って見ているわけがありません。
この後、バンドを陥れる”落とし穴”を仕掛けていたのでした。
次回は以降の活動と2ndアルバムをご紹介します。お楽しみに!
〈オンエア・ソングリスト〉
M-1 Rosalyn
M-2 Don't Bring Me Down
M-3 Roadrunner
M-4 Judgement Day
M-5 The Moon Is Rising
DJ 堀家博之
「Outside Jam」放送時間
〜月曜PM1:30、火曜お昼12:30、水曜お昼12:45、木曜PM2:15、金曜PM2:30、土曜PM2:45、日曜PM1:30