ロック史に名を残すビッグアーティストの名曲とちょっとマニアックな曲を紹介する「ヒットtheビート」。
今週は、John Lennonの「Double Fantasy」を特集しました。
ジョンとヨーコの間には、なかなか子どもができませんでしたが、カバー曲を集めたアルバム「Rock And Roll」をリリースした直後、すなわち1975年10月9日、奇しくもジョンと同じ誕生日に、待望の息子、ショーンが誕生します。
不幸な少年時代を過ごしたジョンは、ずっとショーンの側にいようと決意し、いっさいの音楽活動を停止。主夫生活に入りました。
そして5年の月日が流れたある日、ショーンはジョンに「パパはビートルズだったの?」と無邪気に尋ねます。この一言で、ジョンは復帰を決意。
そして「夫婦の対話」をコンセプトに制作されたのが、今回紹介するヨーコと連名のアルバム「Double Fantasy」です。
オープニング曲でもあり先行シングルでもある「Starting Over」は、軽やかな鐘の音で始まりますが、これはちょうど10年前にリリースされたソロ第一作「ジョンの魂」のオープニングに鳴り響く重い鐘の音と対比されています。
それは紛れもなく、ヘヴィーな70年代を乗り越え、ようやく心の安定を得ることができたジョンの心境そのものの音でした。
とりわけ、夜中に怖い夢を見て泣き出したショーンに「目を閉じて。怪物はもういなくなったよ。パパはここにいるよ」と語りかける『Beautiful Boy』などは、優しく幸せそうなジョンの顔が目に浮かぶような素敵なナンバー。
その他にも『Woman』『Watching The Wheels』などの優しい歌いっぷりからは、スターだとかロックヒーローだとかの重荷を全て下ろした‘開放感’すら伝わってきそうなほど。
しかし、運命とは皮肉なもので、幸せは突然幕を下ろしました。
‘ジョンの胸に打ち込まれた5発の銃弾’というこれ以上ない悲劇的な結末でもって。
こうして、4人のビートルにとって最悪の形で、80年代は幕を開けました。
♪Cleanup Time
♪I'm Losing You
♪Watching The Wheels
次週は、Paul McCartneyの「Tug Of War」を特集します。お楽しみに♪
「ヒットtheビート」放送時間(変わりました。ネットラジオもリアルタイムです)
〜月曜PM1:00、火曜PM1:30、水曜PM2:00、木曜PM2:30、金曜深夜1:30、土曜深夜2:00、日曜PM1:00
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