ちょっと隠れたロックアーティストを紹介しているこの番組では現在、
1975年頃、N.Y.のライブハウス・シーンで巻き起こった
パンクム−ブメントから登場したアーティストたちを紹介しています!
今回特集するのはディクテイターズ(The Dictators)というバンド。
名前すら聞いたこともないという人もいるかもしれませんが、
前回まで特集していたパティ・スミスと並んで、N.Y.パンク勢では最も早く、
アルバム・デビューを果たしたバンドです。
その彼らが発表した1978年のサードアルバム『ブラッドブラザーズ(Bloodbrothers)』をピックアップ!
HR、HM系のバンドに影響を与えた強力なロック・アルバムです!
彼らは1974年に結成されて、N.Y.を中心にライブ活動を始めた5人組の
熱〜いロック・バンドです。
75年には、はやくもメジャーからアルバムデビューを果たし、
あのラモーンズにも影響を与えたN.Y.パンクのオリジネイターなのです。
ですが、デビュー・アルバムから、この3rd『ブラッドブラザーズ』までの間にも、
メンバー交代、サウンドの変化を繰り返してきたのです。
この『ブラッドブラザーズ』は、ハード・ロックとパンクがミックスした疾走感が
あって、キャッチーな熱いロック・アルバムで彼らの中でも傑作といわれています!
バンドのサウンドを支えるのは、リーダーでメイン・ソング・ライターの
アンディ・シャーノフを中心とする楽器パート陣。
一方、バンドの熱〜く男臭いヴィジュアル(!?)面を支えるのが、
Vo.のハンサム・ディック・マニトバ。
自称“元プロレスラー”の彼は、大きい図体をさらに大きく見せる
デッカいアフロヘアーがインパクト大!!のルックスで、じつは全曲彼が
リード・ヴォーカルをとったのはこのアルバムが初めてで、
1stでの彼のパート表記はなんと“秘密兵器”!!
実際、彼の姿を写真で見たら、気持ちはわからないでもないが、
でも、「どんなパートやねん!」と、言いたくなりますよね。
こうして、三枚目にしてようやく方向性が定まったかに見えた彼らでしたが、
商業的に成功しなかったことで人間関係が崩れ、このアルバムを最後に
解散してしまいます。
その後、メンバー各自、ソロ活動や新バンドを結成したりと、それぞれの道を
歩みながら、一夜限りの再結成ライブを毎年のように行っていました。
時は流れて、後の世代のHR、HM系のバンドたちの熱いリスペクトによって、
彼らの名前が再びメディアに浮上。1990年、ほぼオリジナルメンバーによる
別名バンド「マニトバズ・ワイルド・キングダム」で再結成!
その後、再びソロ活動などを始めますが、2001年、ついにディクテイターズ
名義での本格的再結成となったのです!!
決してメジャーではありませんが、メロディアスなナンバーあり、
シンガロング・タイプのロック・ナンバーありで退屈しないディクテイターズ、
はっきり言ってオススメです!!
〈オンエア・ソングリスト〉
1. Faster & Louder
2. No Tomorrow
3. Borneo Jimmy
4. Stay With Me