1970年代中頃、N.Y.のライブハウス・シーン(N.Y.パンク・シーン)から
登場したブロンディは、紅一点のヴォーカリスト、デボラ・ハリー
の妖艶なキャラクターと、それと相反するポップなサウンドで人気者となり、
デビューを果たしました。
ですが、デビューアルバム・リリース直後、所属レーベルが倒産、
さらにメンバーの脱退とアクシデントが重なりました。
そのアクシデントを乗り越えて完成したのが77年リリースのセカンドアルバム
『囁きのブロンディ(Plastic Letters)』です。
内容はパンキッシュな過激な面と、スイートなポップな面とが入り混じっている
のは前作の延長線上なんですが、バラード、ロカビリーなど、曲調はさらに
バラエティ豊かになり、ポップなものはよりポップになって、聴き応えのある
作品になっています。
彼らは楽曲制作はもちろん、ライブ活動も精力的にこなしていて、この頃、
彼らと同じN.Y.パンクシーン出身のバンド、テレヴィジョンの全英ツアーに同行。
彼らはブロンディとほぼ同期ながら、すでにイギリスでは大人気の
バンドとなっていました。
そんな人気バンドに同行するんですから、ブロンディにも注目が集まるのは
当然で、そこから彼らも人気が出始めます。
全英最高2位となったヒットシングル「愛しのデニス」や、「今が最高」など
ヒットシングルも生まれ、アルバムは全米では最高72位でしたが、
全英最高10位を獲得!!
アメリカよりもイギリスで人気の逆転現象となりました。
このイギリスでの人気を受けて78年1月、彼らはついに初来日公演を行いますが、
このときの観客動員は散々たるものだったのです。
理由は日本では音楽的評価よりも、デボラ・ハリーのキャラ先行の
キワモノバンドという見られ方だったのが原因じゃないかって言われています。
しかし、世間からどう見られようが、本人達は実際に音楽的に
成長し続けているし、その結果、ヒットが生まれたという自信を秘めて、
新しいアルバムの制作に入ります。
次回は、大きく成長した3rdアルバムをピック・アップします♪
〈オンエア・ソングリスト〉
1. Detroit 442
2. Denis
3. Contact In Red Square
4. Bermuda Triangle Blues (Flight 45)
5. Kidnapper