前回に引き続き、ブロンディの79年のアルバム『Eat To The Beat
(恋のハート・ビート)』をピック・アップ!!
彼らは時代の一歩先を行くサウンドで人気バンドになり、
このアルバムにもいろんなアイデアがつまっていますが、今度は
アルバム収録曲のプロモクリップで構成されたビデオをリリースして
ヴィジュアル展開を進めたんです。
いまや、こんなプロモ・クリップ集なんて何も珍しくない話ですが、
当時はまだ、MTVも開局しておらず(開局は81年)、さらには家庭での
ビデオデッキの普及率も、まだそれほど高くない時代だと考えると、
これがいかに斬新な戦略だったかがわかるかと思います。
実際、作品の方も、デボラ・ハリーをメインにしながら、
全体は斬新な映像処理と、かなり完成度の高いものだったそうです。
こうした時代の先を行くビジュアル面はもちろん、サウンドでも、
79年頃注目を集めつつあったテクノ調のリズムを取り入れたニュー・ウェイブ・
ポップ・チュ−ン「ハーデスト・パート」や、「ハート・オブ・グラス」
をさらにダンサブルにしたディスコ・チューン「銀河のアトミック」など、
新しいポップスを聴かせてくれています。
で、こんなさまざまな挑戦の甲斐あって、アルバムは全英1位、
全米でも17位のヒットを記録。
このヒットを受けても甘んじることはなく、さらに次のステップを目指していた
彼らに、今度は映画のサウンド・トラックへの参加の話がやってきます。
リチャード・ギア主演の「アメリカン・ジゴロ」という作品のテーマ曲
「コール・ミー」を歌うことになり、これが彼らにとって2曲目の
全英、全米No.1を獲得!彼らの人気を不動のものにしました。
このサントラへの参加したことで、いろんなものを吸収して成長したバンドは、
次のアルバムでその成果を見せます。
次回はその5枚目のアルバムをピック・アップします!
〈オンエア・ソングリスト〉
1. Living In The Real World
2. The Hardest Part
3. Atomic
4. Sound - A - Sleep
5. Call Me