番組では現在、世界初のパンク・バンド、ラモーンズ(Ramones)を
特集しています。
第3回は、77年リリースの3rdアルバム『ロケット・トゥ・ロシア(Rocket To Russia)』をピック・アップ!!
このアルバムはラスト・ライブまで演奏され続けた曲が多数収録された、
メンバーたちも必ずお気に入りの一枚に挙げる初期の名盤です!!
世間的にはロックの歴史に革命を起こしたバンドと呼ばれ、それと同時に
ライブに明け暮れる毎日と、精力的な活動を続けていましたが、前の2枚の
アルバムは大きなセールスを記録できないという結果に、メンバーたちは
少しずつジレンマを感じ始めていました。
そこで、次こそはと制作されたのが『ロケット・トゥ・ロシア』。
タイトルには「現状の壁をぶち破る」といった意味も込められているらしく、
そういったところからも、「このアルバムでブレイクを果たすぞ!」という
メンバーたちの意気込みも伝わってきます。
プロデューサーにはドラマーのトミー・ラモーンと、あのボン・ジョヴィと
親戚関係あるというトニー・ボン・ジョヴィを共同プロデューサーに迎え、
エンジニアには、のちにローリング・ストーンズも手掛けるエド・ステイシアム
という気合いの入りよう!!
(エドはこれをきっかけに、ラモーンズと何枚ものアルバムを制作します。)
曲はツアー中に作られ、ときにはホテルで缶詰め状態になって行われるという
ハード・スケジュールだったので、歌詞には、そのツアー中の不安定な
精神状態がしっかりと現れています。
彼らの曲はポップで疾走感があるので、明るい歌詞かと思いきや、
じつは、日常に潜む狂気や絶望感など、人間の暗部をついたテーマが多いんです。
それは、バンド結成以前から、あらゆる面で頑張っても明るい未来が見えない
人生を歩んできたヴォーカルのジョーイならではの閉塞感からきてるんです。
実際、バンドにとって自信作となった『ロケット・トゥ・ロシア』も、
アメリカではセールス面ではさっぱりの結果でした。
しかし、このアルバムがリリースされた77年といえば、U.K.で
セックス・ピストルズやクラッシュ、ダムドらが音楽シーンを席巻して、
ロンドンは史上空前のパンク・ムーブメントが吹き荒れた年!
彼らの先輩格であるラモーンズは当然、ロンドンから熱いラブ・コール
を送られて渡英。
そこで、パンクのオリジネイターとして熱狂的に受け入れられ、
ライブをやれば大盛況で、セールス面でも「シーナはパンク・ロッカー」が
ついに念願のシングル・ヒット!彼らの状況はU.K.で花が開きます!!
次回は、そのU.K.での熱狂的なライブを収めたアルバムを紹介します♪
〈オンエア・ソングリスト〉
1. Teenage Lobotomy
2. Rockaway Beach
3. Here Today, Gone Tomorrow
4. Sheena Is A Punk Rocker
5. We' re Happy Family