4月から始まったこの番組は、映画大好きなホリケと水上が、毎回一つ作品をピックアップして、その作品の好きなところはもちろん、“こんな風にしてくれたほうが良かったのに〜”なんてことや、水上先生による登場人物の血液型診断など、二人で好き放題言ってしまおうという、トーク番組です。
記念すべき第一回目にピックアップされた作品は、どん底から這上がって、アメリカの英雄となった競争馬とジョッキー達との真実の物語『シービスケット』です。
映画のあらすじは、舞台は世界大恐慌時代のアメリカ。自動車ディーラーとして成功していたハワードは、皮肉にも息子を自動車事故で亡くし、妻にも去られてしまった。しかし、彼は後に、乗馬の愛好家である女性マーセラと再婚し、彼女の影響で馬主となる。やがて彼は、自動車社会に取り残された元カウボーイ、スミスを調教師として、そして大恐慌による不況で、家族離ればなれの生活となり、ジョッキーとしての人生が始まったばかりの青年、レッドをそれぞれ雇うことになった。
ある日、調教師のスミスが“シービスケット”という小柄で気性の荒い馬の潜在能力に目をつけ、ハワードに購入するよう薦める。
ここから、一度奈落の底に落ちた者達のリベンジが始まる。
以上が簡単なあらすじですが、この映画の良いところは、一度人生の奈落の底に落ちて、復活する部分が細かく描かれているのが、すごく感情移入できるし、その分、感動もひとしおです!!
例えば、小柄で気性の荒いシービスケットをどう、立派なサラブレッドに育てていくか。それと同時に、青年レッドの人間として、また、ジョッキーとしての成長は必見です!!また、成長するとともに、勝利への貪欲さもコミカルに描かれています。あるレースのスタートが消防のベルを使うことになったとき、彼らは、シービスケットにベルの音に馴れさすために、消防署からベルを拝借してきて、夜中にスタートの特訓をする場面はコミカルでいて、シリアスな彼らの姿がよく出ています。
3つ目は、この映画には嫌な人物が登場しません!!最初、馬主のハワードが金持ちゆえの傲慢さを見せるのかと思ってたら、そんなことはみじんも見せない寛大な人で、スミスとレッドを絶対的に信頼している素晴らしい人!そして、ライバルのジョッキーも相手の良いところは素直に認め、正々堂々と戦うので、つい、観てるこちら側もどちらも公平に応援してしまいます。
と、良いところばかり挙げましたが、気になるところもありました。それは、シービスケットが勝ち進んでいって、ついに、最強のサラブレッドと対決するのですが、その相手がどんなに強いのか、というのがあまり具体的に描かれていないので、相手とシービスケットが、どれだけ力の差があるのかあまりわからなくて残念です!
あと、ジョッキーのレッドが映画の中で着ている革ジャケットは、おそらく馬革やと思います!!あれでは、馬の呪いで勝てんぞ〜!!と、言いたい放題ですが、感動の一作ですので、まだ観てない人はぜひ、どうぞ!!
それでは、今回はこのへんでお別れです。
次回は何について喋ろうかな?
担当 水上玲花&堀家博之
「シネマカセ」放送時間
〜月曜深夜2:40、火曜深夜3:40、水曜・土曜・日曜深夜12:40、木曜深夜1:40、金曜午後1:40、
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