ロック史に名を残すビッグアーティストの名曲とちょっとマニアックな曲を紹介する「ヒットtheビート」。
今週は、John Lennonのソロ2作目「Imagine」を特集しました。
あまりにも赤裸裸でハードな前作「ジョンの魂」に引き続き、フィル・スペクターのプロデュースで制作された本作は、ジョンのアルバムでも1,2位の人気を争う名盤。
いまや歴史に残る名曲として、世界で何かキナ臭い事件が起こるたびに街に流れるタイトル曲「Imagine」はもちろん、美しいバラードからナイフのようなロックチューンまで、ジョン・レノンの音楽性がもっともバランスよく配置されていて、レノン入門編としても最適なのでは。
前作では地味なサポートに徹したスペクターのプロデュースも、今回はさすがの仕事ぶり。
特に僕はストリングスが好きなので、随所に挿入されるオーケストレーションがとても心地いいです。
サポートミュージシャンも、前作のリンゴ・スターに代わり元ビートルズからはジョージ・ハリスンが参加。得意のスライドギターを披露。そして何と言ってもニッキー・ホプキンスですよ。
ビリー・プレストンと並び、当時のビートルズやストーンズに愛された一流のセッション・キーボードプレーヤー。ブルースやジャズはもちろん、クラシックも弾けるということで、とにかくフレーズが華麗・流麗。このアルバムでは「Jealous Guy」で、キラキラと優しいフレーズを聴くことができます。
ジョン・レノンは、けして上手いボーカリストではないですが、表現力というか感情を伝えるセンスが抜群で、「Jealous Guy」の頼りなげにしょげた感じから、「How Do You Sleep?」の刺々しいニュアンスまで、びしびしと気持ちが伝わるんですよね。
で、その「How Do You Sleep?」。このアルバム1番の問題作。
先週紹介した「RAM」で、ポールはジョンに激しく自分のメッセージをぶつけましたが、もちろんジョンは黙っていません。トゲのある台詞を言わせれば天下一品(?)のジョンにかかれば、もうポールなんてこてんぱんですよ。この曲のレコーディングに参加したジョージも、さすがに‘ほんとにいいの?’とビビったとか??
裏ジャケでも、「RAM」をコケにした写真を載せたりして、大人げないというかなんというか。「Imagine」の平和主義的なメッセージを、根底から覆す過激さです。それもまたジョンらしいんですが。逆に言えばポールのことがとても気になるし、ついつい甘くなりがちなポールのお尻を叩いていると言えなくもないんですよね。
実際、このあとポールはどんどん発奮してくるわけですし。
個人的にはラストの「Oh Yoko!」が妙に好きで、ラストのハーモニカを聴くたびに、いたずらっぽくヨーコを目で追いかけるジョンの気持ちが、なんかとても胸をうちます。曲も単純だし、歌詞もほんとに大したことは言ってないんですけどねえ。
なんつうか、好きでたまらない人と一緒の時間を過ごす嬉しさって、こんな感じなんですよね。
♪Imagine
♪Jealous Guy
♪How Do You Sleep?
♪Oh Yoko!
次週は、Paulの反撃!シングル特集です。お楽しみに♪
「ヒットtheビート」放送時間〜変わりました(ネットラジオもリアルタイムです)
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