ロック史に名を残すビッグアーティストの名曲とちょっとマニアックな曲を紹介する「ヒットtheビート」。
今週は、John Lennonの「Rock'n' Roll」を特集しました。
このアルバムのリリースは1975年。しかしレコーディングそのものは1973年にスタート。ちょうど、ジョンとヨーコの関係が悪化し別居を始めたころです。
セッションには気の置けないミュージシャン仲間が集まり、ひたすらスタンダードナンバーが録音されました。しかし、淋しさを紛らわせるためかジョンはいつも酔っぱらった状態で、その上プロデューサーのフィル・スペクターまでが奥さんと揉めていて、こちらも精神が不安定。
結局まともなテイクも取れないまま、なんとスペクターはマスターテープをもったまま行方不明に。レコーディングはそのまま中断されてしまいました。
その後ジョンは、どうにか気を取り直して「Walls And Bridges」を完成。ヨーコともヨリを戻します。
ジョンにはまだ抱えているトラブルがいくつかあって、そのひとつが、チャック・ベリーから訴えられていた「Come Together」のパクリ問題。すったもんだの末、似ていると言われる「You Can't Catch Me」をジョンがカバーしてリリースすることで、こちらもどうにか解決。
どうせなら、ということで中断したスタンダードナンバーセッションが再開され、ジョンによるロックンロールのカバーアルバムがリリースされたわけです。
どの曲もジョンにとっては愛着のある有名なナンバーで、だからこそアレンジは周到に練られました。
特に有名なのはシングルカットもされた「Stand By Me」。今では後の映画のヒットでオリジナルの方が有名ですが、この当時はこの曲の方が圧倒的な支持を集めました。原曲とは全く違うにもかかわらず、原曲の良さを的確に伝える見事なアレンジですよね。
その他の曲も、素晴らしいプレイヤーによる厚みのあるアレンジで、企画ものには終わらせない意気込みあふれる仕上がりになっています。
残念なのは、参加したミュージシャンの名前が公表されていないことで、ウワサではエルトン・ジョンやレオン・ラッセル、ジョニ・ミッチェルなどのほか、なんとポール・マッカートニーやチャーリー・ワッツの名前まで!?。ポールが参加したから参加メンバーを公表しなかったのだというまことしやかなウワサも飛び交ったとか。
無事にこのアルバムがリリースされた後、ジョンとヨーコの間に待望の第一子、ショーンが誕生し、これをきっかけにジョンは事実上の休業に入ってしまいます。
♪Be-Bop-A-Lula
♪Stand By Me
♪Slippin' And Slidin'
♪You Can't Catch Me
次週は、Wingsの「Speed Of Sound」を特集します。お楽しみに♪
「ヒットtheビート」放送時間(ネットラジオもリアルタイムです)
〜月曜PM2:00、火曜PM2:15、水曜PM2:30、木曜PM2:45、金曜お昼12:15、土曜お昼12:30、日曜PM2:00
毎週土曜夜9時からの
生放送もお聴きくださいまし♪