ちょっと隠れた、カッコいいロックアーティストを紹介しているこの番組、
ここ数ヶ月、1970年代中頃〜後半、英国のパブを活動の中心にした
アーティストたち。いわゆる“パブ・ロッカー”にスポットを当てて
おとどけしています。
パフォーマー、プロデューサーなどマルチな才能を持つアーティスト、
デイヴ・エドモンズ(Dave Edmunds)特集の第6回。
今回は、彼が1982年に発表したアルバム『D.E.7』にスポットを当てました♪
周囲からはパーマネントな活動になるであろうと思われていたバンド、ロックパイルが
アルバム1枚で解散。おまけに所属レーベルがという不幸が続きます。
しかし、デイヴはそんな苦難を乗り越え、アーティストとしてだけでなく、
プロデュース活動にも力を入れます。80~81年頃、彼がプロデュースしたバンドで
最も有名なのが、ネオ・ロカビリー・バンド、ストレイ・キャッツ。
この頃、シンセサイザーやコンピューターが導入され始め、ニュー・ウェイブや
テクノ・ミュージックと呼ばれる音楽がもてはやされていた時代に、
突然変異のように現れたロカビリーサウンドは逆に新鮮に映り、大ヒットを記録!
世間にネオ・ロカビリーブームを起こします。
こうしたプロデューサー業の傍、自身のアルバムも年一枚のペースで発表し、
完成した一枚が『D.E.7』です。
ストレイ・キャッツで勢いに乗っていたデイヴですが、自分の作品はセールス的には
惨敗。でも、その結果とは裏腹にアルバム内容は渋い名盤なのです。
特にバンジョーやマンドリンを使った“ケイジャン”というジャンルの曲や、
スワンプ・ロック調の曲を取り入れるなど、彼のアメリカ南部音楽への接近は
とどまることを知りません!
悲しいかな、彼のロックンロールへの深い愛着は決して好セールスには
結びつきませんが、通じるところには通じるもの!ブルース・スプリングスティーン
がデイヴのために曲(「From Small Things, Big Things Come」)を提供。
これまで、お互い深い繋がりはなかったのですが、英、米それぞれの土地でR&Rを
愛する者として、引き寄せる何かがあったのでしょう。
こうして、彼はこれまでのキャリアの中で古き良きアメリカ音楽を
表現してきましたが、この後、大きくサウンドが変化します!
次回はその時期のナンバーにスポットを当てます♪
〈オンエア・ソングリスト〉
1. From Small Things, Big Things Come
2. Bail You Out
3. Deep In The Heart Of Texas
4. One More Night