ちょっと隠れた、カッコいいロックアーティストを紹介しているこの番組。
ここ数ヶ月、1970年代中頃〜後半、英国のパブを活動の中心にした
アーティストたち。いわゆる“パブ・ロッカー”特集でおとどけしています。
今回は「白いチャック・ベリー」の異名を持つ、ロックンローラー、
ミッキー・ジャップ(Mickey Jupp)を紹介します。
その彼の作品の中から、1978年に発表されたアルバム
『Juppanese(ジャッパニーズ)』をピックアップします♪
彼はロンドンのサウス・エンド出身で、'60年代初め頃からオリオールズという
バンドを率いて、地元を中心に活動していました。
ちなみに、このサウス・エンドという地区は以前、番組でも取り上げた
ドクター・フィールグッドやエディ&ザ・ホット・ロッズといったバンド
も出ていることから「ビート・ロックの聖地」と呼ばれています。
少し話が逸れましたが、次第にオリオールズ以降の活動も先細りして、人々の頭から
忘れ去られそうになっていたミッキーでしたが、ちょうどその頃('76~77年頃)、
ドクター・フィールグッドが人気爆発!彼らが地元の先輩であるミッキー・ジャップ
をリスペクトする発言をするや再び注目されるようなって、'78年に発表されたのが、アルバム『ジャッパニーズ』です。
アルバムのプロデューサーは、これまた番組で取り上げたニック・ロウ。
しかも、バックを固めるのはニックと、前回まで特集していた
デイヴ・エドモンズを中心とするバンド、ロックパイル!
こうして、パブロック・オールスターズとも言える布陣によって制作されたアルバム
でしたが、ミッキーは、YESといえばNOと言い、NOと言えばYESと言う
超ヒネクレた性格の持ち主で、OKを出すと録り直しを要求するしNGだと
「それを使おう」と言い出す始末で制作は難航。
当時、スケジュールの詰まっているロックパイルの連中に時間は
残されてなかったため、途中でプロデューサーがバトンタッチしている
「いわく付き」のアルバムなのです。
こんなエピソードを紹介すると中途半端な作品に思われてしまいますが、
内容は「白いチャック・ベリー」の異名どおりのR&Rや、R&Bを基調とした
ナンバーに、ピアノのみで聴かせるバラードなど、彼の音楽嗜好と才能の深さが
十分に伝わる名盤!なので、R&Rや、R&B主体のパブロック・ファンは必聴です!!
さて、彼に付けられた「白いチャック・ベリー」の異名、一般的には、
後の時代にも歌い継がれるような楽曲作りの才能を指して言われているようですが、
実は、彼の天邪鬼な性格を指していたなんて事も言われている。
音楽的には素晴らしい才能を持ちながらも、不安定な精神状態から発する発言が、
マスコミ、同業者問わず、あらゆる人を遠ざけてしまいました。
黙っていれば成功やスーパー・スターへの道が開けたのに…。
ミッキー・ジャップは不幸な天才なのです‥!
〈オンエア・ソングリスト〉
1. Old Rock'n' Roller
2. Short List
3. Pilot
4. Nature's Radio