この番組では、ちょっと隠れたロックアーティストを紹介しています。
今回からニューヨークが生んだ孤高のロッカー、ルー・リード(Lou Reed)を
特集していきます。
しかし、彼はキャリア35年以上のベテランなので、アルバムすべてを
取り上げるのは大変!!そこで、これだけは押さえておきたい作品をピックアップ
していきます。第1回は、2 ndアルバム『トランスフォーマー(Transformer)』
にスポットを当てていきます!
前回まで特集していたバンド、ヴェルベット・アンダーグラウンドのリーダー
だった彼が、突然バンドを脱退したのが1970年。
その後、一旦、音楽界から身を引き、父親の会社でタイピストとして働きますが、
業界が彼の才能を放っておくわけがなく、あるレコード会社の宣伝マンに説得され、
再びシーンに復帰します。そして、1 stソロアルバムを発表!
ところが、内容はヴェルベッツ時代に作った未発表曲がほとんどで、
本人も焦点が定まっていないような作品でした。
そこに、彼のプロデュースを買って出たのがデヴィッド・ボウイ。
彼は71~2年当時、ブームとなっていたグラムロックのスターとして人気急上昇で、
以前からヴェルベッツ、特にルーを敬愛していました。
そういった理由から、ボウイと、当時、彼のサウンドパートナーだった
ミック・ロンソンがプロデュースして完成したのが『トランスフォーマー』です。
この作品は、ルーがヴェルベッツ時代から得意としていた、都会の影の部分を描く
独特の詞世界と、ボウイが牽引していたグラムロックが持つデカダンな香りとが
見事に融合して、元来ロックが持っていた“妖しさ”に満ちたアルバムに
仕上がっています。
また、目の周りを黒塗りした、ちょっとゴスなルー・リードの表ジャケットに、
妖しい男と女(男)が写っている裏ジャケットと、アートワークでも
いかがわしさを醸し出しています。
このアルバムには、「ヴィシャス」や「ワイルド・サイドを歩け」など、
ルーの代表曲が収録されているので、このアルバムから、彼の世界に
入っていくことをオススメします。
〈オンエア・ソングリスト〉
1. Vicious
2. Satellite Of Love
3. Hangin' Round
4. Walk On The Wild Side