ちょっと隠れたロックアーティストを紹介しているこの番組では現在、
ニューヨークが生んだ孤高のロッカー、ルー・リード(Lou Reed)を
特集しています。今回は74年に発表された、個人名義としては初のライブ盤
『Rock'n' Roll Animal(ロックンロール・アニマル)』をピックアップ!
1973年12月21日、ニューヨークでのライブの模様を収録した作品です。
前作『ベルリン』で、独自のストーリー性のあるアルバムを作りだし、
“今後、ライブはあまりやらないんじゃ?”と、この頃、半ば伝説化していた
ルー・リードが世間に姿を現した記念碑的ライブでもあり、
本人も相当気合いが入っていたと思われます。
バック・バンドには、スティーヴ・ハンターとディック・ワグナーという、
デトロイトで活動していたセッション・ギタリストで、二人ともかなりの実力者!
そんなギター・プレイヤーをバックに従えて燃えないわけがないルー・リード。
グラマラスなメイクとファッションで、“いちロック・ヴォーカリスト”
としてピュアにシャウトする光景は、彼のキャリアの中で、後にも先にも
ほとんど見られない貴重な記録でもあるのです。
また、ヴェルベット・アンダーグラウンド時代の名曲たちも
アグレッシブに生まれ変わっているのも聴き逃せないトピックスです。
ちなみに、僕が聴いた初めてのルー・リードのアルバムはこれだったので、
こういうパフォーマンスを得意としているアーティストだと思ったんですが、
そこからヴェルベット・アンダーグラウンド時代に遡っていくと、あらビックリ!
このアルバムのルーは“番外編”だったのです(笑)
さて、その日のライブの出来、アルバム共に好評価を受け、同じコンサートを
収録した続編『ルー・リード・ライブ』もリリースされるのですが、
ルー・リード本人はこの2枚が好きではないそうです。
というのも、 一般のファンやプレスからは、バック・バンドと2人のギタリスト
ばかりに評価が集まったことがツアー中から気に入らなかったようです。
こうして、ルー・リードに嫌われたバック・バンドは、当時ルー・リードと
アリス・クーパーのプロデューサーをしていた人物のコネで、
そのままアリス・クーパーのバックへ…、なんてオチが付いているのです(苦笑)
〈オンエア・ソングリスト〉
1. Intro/Sweet Jane
2. Caroline Says 1
3. White Light/White Heat