1976年頃、イギリス中に嵐のように巻き起こったロンドンパンク・ムーブメント
から登場したバンドを紹介しています。
今回は、ロンドンパンクを引き起こした張本人ともいえるし、パンクといえば、
やっぱりこのバンド!!のセックス・ピストルズをピックアップ!!
今年のサマソニに突如再結成して話題となって、パンクやロックに
あまり詳しくない人でもどこかで聞いたことがあるこのバンド名。
しかし、活動期間は2年ちょっと。たった一枚のアルバムで、ロック史上最大
の衝撃を与えました。
今回から、わずかな間に燃え尽きた彼らの足跡を振り返っていきます。
1975年、ニューヨークではパンクと呼ばれるムーブメントが
盛り上がっていました。
その頃、パンクの元祖とも言われるバンド、ニューヨーク・ドールズの
マネージャーを勤めていたマルコム・マクラーレンというイギリス人は、
時代の空気をたっぷりと自分の中に取り込み、それを故郷に持ち帰りました。
彼は、ロンドンに戻るとブティックをオープンさせ、そこの店員と常連客たち
のバンド、スワンカーズを母体に、同じくブティックの常連客だった青年
ジョニー・ロットンをヴォーカルに加えて誕生したのがセックス・ピストルズでした。
彼らのマネージャーとなったマルコムはとにかく「反体制」をバンド・イメージ
として打ち出し、ファッション面ではビリビリに破いたTシャツに、寝ぐせ
のように逆立ったツンツンヘアーというハチャメチャなスタイルと、歌詞の面では
キリスト教やイギリス女王をコケにしたりと、世の中に対して徹底的に悪態
を付いた内容で一躍、イギリス中の話題になり、メジャーのレコード会社EMIと契約、1976年に「アナーキー・イン・ザ・UK」で華々しくデビューを飾ります。
しかし、あまりに歌詞の内容が過激だったためEMIとの折り合いがつかず、
契約が破棄されてしまいます。その後に契約したA&Mからも、一ヶ月ともたずに契約破棄されてしまいます。
彼らが登場した75年頃、イギリスは社会不況で、若者達はろくに仕事が
見つからないなどで不満に満ちあふれていた時代でした。
そんなタイミングで現れたセックス・ピストルズは、大人社会からは
煙たがられる存在でしたが、若者達からは一気に共感を得て、その勢いは
誰にも止められないほどになっていました。
しかし、ライブをすれば必ずと言っていいほど乱闘騒ぎとなり、彼らの存在は
大人達にとってはますます煙たい存在となっていました。
こうして、彼らに衝撃を受け、言いたいことを歌うために楽器は出来なくても
バンドを結成する若者が後を絶たず、77年になると続々とバンドが生まれて、
史上空前のロンドンパンク・ムーブメントは巻き起こったわけです。
さて、このブームの張本人のピストルズはいよいよ、待望のアルバムを発売!
次回は、彼ら唯一のオリジナルアルバムをピックアップしていきます!!
〈オンエア・ソングリスト〉
1. I Wanna Be Me
2. Satellite
3. Anarchy In The U.K.
4. No Fun