1970年代後半、イギリス中を席巻したU.K.パンクムーブメントの雄、
The Clash(クラッシュ)を特集しています。
1stアルバム『The Clash(白い暴動)』で、イギリスをはじめ、
世界に対して強烈なメッセージを叩きつけて、一躍キッズのヒーロー的存在
となった彼ら。
2ndアルバムを完成させるまでの1年間に、今後、バンドにとって
重要となる傑作シングルを3枚リリースします。
今回は、これらのシングルをリリースした77〜78年の彼らの活動を追っていきます。
じつはデビュー前に、ドラマーのテリー・チャイムズが脱退がしていて、
彼は新しいドラマーが決まるまでの措置として、アルバムのレコーディング
のみ参加していました。
(そのため、アルバムジャケットは3人しか写っていないのです)
その後、ドラマーはトッパー・ヒードンに決定。ソウル・バンドで活動
をしていた彼のドラミングは、テリーにはなかったグルーヴ感があり、
クラッシュ・サウンド・パワーアップの大きな要因となったわけです。
ようやく4人となったバンドは、1stアルバムリリース後、
「ホワイト・ライオット・ツアー」敢行。
このツアーで、さらにイギリス中にパンク旋風を巻き起こすことに。
ツアーでバンドの結束がさらに固まったクラッシュは、連日のライブで
吸収したエネルギーを持ってレコーディングに入ります。
まずは、1stアルバムでレゲエ・ナンバー「ポリスとコソ泥」を
カヴァーしたことで、大物レゲエ・アーティスト、リー・ペリーから
プロデュースの依頼が飛び込んできます。
そして、両者のコラボで誕生したのが「コンプリート・コントロール」。
完成した曲がレゲエ・ナンバーでなく、クラッシュらしいパンキッシュな
ロックナンバーだったところに、このコラボの意義があります。
続いての「クラッシュ・シティ・ロッカーズ」は、1stアルバムと同じ
プロデューサーでありながら、1stにはなかったボトムがどっしりとした
ハードでダーティなパンク・サウンドで、バンドのパワフルさがしっかりと
表現されている名曲です!
とどめは「ハマースミス宮殿の白人」。
彼らにとって初のオリジナル・レゲエナンバーで、初のセルフ・プロデュース
による意欲作です!
白人レゲエの先駆けともなるこの曲は、1978年当時のイギリスの現状を
クールに見つめ、皮肉った歌詞と、メロディの完成度の高さで、
彼らの全楽曲のなかでも人気の高く、僕もかなり上位に入るナンバーです。
1stアルバムは熱いメッセージが伝わるストレートなパンクアルバムで、
今も名盤として必ず挙げられるものの、録音状態が悪いのも事実。
これら3枚のシングルはどれも、そんなアルバムの完成度に不満を持っていた
ファンを満足させる快心の出来となっています!
さて、今回紹介した3枚のシングルで確かな自身をつかんだクラッシュは、
いよいよ2ndアルバムの制作に取りかかります。
そして完成したアルバムは一体?次回は2ndアルバムをピックアップ!
〈オンエア・ソングリスト〉
1. Complete Control
2. Clash City Rockers
3. Jail Guitar Doors
4. (White Man In) Hammersmith Palais